バリフの有効主成分:塩酸バルデナフィル水和物
由来
バリフの有効主成分である塩酸バルデナフィル水和物(Vardenafil) は英国バイエル社により研究開発が行われ、バイアグラの有効成分であるクエン酸シルデナフィルに次ぐ世界で二番目に開発されたED治療薬の有効成分になります。
効能
塩酸バルデナフィル水和物は、生体内で正常に勃起を促す環状グアノシン一リン酸(cGMP)の分解を行っている物質5型ホスホジエステラーゼ (PDE-5) の酵素活性を阻害します。これが陰茎周辺部のNO作動性神経に作用して平滑筋の緩和、血管の拡張をさせ、血流量が増えることによって勃起機能を促進させます。
- 環状グアノシン一リン酸(cGMP)について(Wikipedia)
(補足事項) また公益社団法人日本薬学会HPでも下記薬学用語として取り扱われています。
http://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AFGMP
- ホスホジエステラーゼ(Wikipedia)
副作用
塩酸バルデナフィル水和物には、急激な体内の血流量増加に伴う副作用が確認されています。
高血圧、心臓病、アレルギー体質など持病を持たない方でも頭痛、鼻詰まり、胸やけ、顔のほてり、動悸、めまいなどの症状が出ることがあります。これは薬効効果である血流改善が行われている証でもあり、強度の負荷がかからなければ一時的なもので時間の経過に伴い鎮静化していきます。
ただし重度の副作用として視覚異常や持続性勃起症(4時間以上の勃起の継続)が見られた場合、使用を止め、速やかな医師の診察が必要となります。
効果の仕組み
ED(勃起不全)とは勃起させる為に必要な酵素である環状グアノシン一リン酸が加齢やメンタル的原因によって放出される量が少なくなってしまうのに対しておこるものです。加えて勃起を抑制する酵素であるホスホジエステラーゼ5型の放出される量が過剰分泌されてしまう事によって起きてしまうというメカニズムになっています。
しかし、塩酸バルデナフィル水和物によってこのホスホジエステラーゼ5型を阻害して勃起を促し、通常よりも勃起が持続するとされています。
塩酸バルデナフィル水和物による効果はこのような仕組みで起こるため、脳に直接作用するお薬ではなく、性的興奮作用や性欲増進作用はありません。すなわち飲むだけで効果が現れるということはなく、あくまで脳へ性的な刺激を受けなければ勃起はしません。またバルデナフィルは勃起後、途中で勃起が治まらないようにするED予防薬としても使用されています。
併用禁止薬
塩酸バルデナフィル水和物は血管拡張に伴う血圧の低下を招きますので、狭心症発作の治療のためのニトログリセンや硝酸イソソルビドなどを併用すると相乗効果を招き血圧が危険なレベルまで低下し、生命の危険に及ぶこともあります。 重度の副作用、発作が起こる薬剤の組み合わせを「併用禁忌」と表現し、併用することが禁じられています。
塩酸バルデナフィル水和物と併用禁忌の薬物
- 硝酸イソソルビド
- 亜硝酸アミル
- 硝酸イソソルビド
- ニトロプルシドナトリウム
- ニトログリセリン
- イトリゾール
- アミオダロン
- ニトログリセリンについて(Wikipedia)
- 硝酸イソソルビドについて(Wikipedia)
- アミオダロンについて(Wikipedia)