ジェネリック医薬品の取り組み
従来になかった薬効成分を持つ医薬品のことで、新薬とも呼ばれます。
先発医薬品の開発には多額の費用と時間がかかります。
医薬品開発メーカーは何もないところから始めて、0から有効成分を研究し、医薬品を作り出さなければなりません。具体的には、新薬開発にかかる費用は約300億円以上、かかる時間は10~20年程度にもなると言われています。この莫大な投資金を回収する目的もあり、先発医薬品には特許期間が認められるのです。
新薬を開発した企業には、医薬品そのものやその製造方法に特許権が与えられ、20~25年の特許期間中、その薬を独占的に製造・販売することができます。
先発品の意義
先発品は特許を持った独占価格の為、高価ではありますが特に新しい病気やこれまで治療が困難だった病気を治療する医薬品として大切な役割があります。
人類が長年克服できなかった医療問題に希望の光を見いだすことができます。
後発医薬品(ジェネリック医薬品)とは
ジェネリック医薬品は、すでに先発品において安全性・有効性が確認された有効成分を使用しているため、約3年という短い期間での開発が可能です。 そのため、先発医薬品に比べて少ない費用で開発することができます。また、先発品は医療関係者にそのお薬の使用方法や安全性情報の伝達または収集に莫大な費用を必要としますが、ジェネリック医薬品ではすでに公開されている医薬品情報の為、情報提供費用も最小限にでき、価格を抑えることができます。
ジェネリック医薬品の意義
ジェネリック医薬品は、先発品が発売された何年かあとでなければ販売できませんが、効能は先発品と同じで、安い価格で供給されるため、高騰する患者さんの医療費の自己負担を和らげるという大切な役割があります。
ジェネリック医薬品の問題
先発品は製薬会社1社が独自開発をして独占販売をすることができる事に対し、ジェネリック医薬品は特許が切れた後、他の製薬会社も自由に製造することができるようになります。
複数の医薬品メーカーがジェネリック薬品を製造する為、効果効能に差異が出てきます。
理由は薬には錠剤、カプセル、粉状などさまざまな形があります。たとえ同じ錠剤だとしても、コーティングの仕方や内部構造などでそれぞれ異なってしまいます。
薬の添加物や剤形が変わると、薬の溶け出す速度が変化したり、有効成分が分解されやすくなったりします。
コーティング方法や添加物によって薬の溶け出す速度や吸収度が異なることで
- 「薬が効きすぎること」=副作用が強くなる。
- 「効果が出にくくなること」=薬品の信頼性が損なわれる。
といったデメリットが出てきます。
また過去にはジェネリック薬品をゾロ品(後発医薬品を複数メーカーからゾロゾロ出してくる事から生まれた俗称)と呼び実際に粗悪品もあったと言われています。
ゾロ薬とは
新薬の特許権が切れた後に、他の製薬会社から販売される後発の医薬品のことです。
この「ゾロ薬」という名前は俗称で、製薬会社は「ジェネリック医薬品」と称しています。
なぜ「ゾロ薬」と呼ばれるかというと、特許権が切れた(特許権の存続期間が満了した)後に「ぞろぞろ」と各社から出てくる(販売開始される)からだそうです。
現在ではジェネリック医薬品の品質はかなり改善されています。新薬メーカーに比べて製剤面などで技術力に差がある事は事実ですが、この差も少しずつ埋まってくるようになると思います。
今でこそジェネリック医薬品は市民権を得ていますが、それより前は「ゾロ品」と呼ばれていました。新薬の特許が切れた後にゾロゾロと発売されることから、ゾロ品という名前が付けられたのです。
そして、この時に発売されていたジェネリック医薬品の中には、「安くて悪い製品も多く存在していた」という事実があります。