ジェネリック医薬品とは

なぜジェネリック医薬品と呼ぶのか

先発品(新しい成分を研究開発しその成分を使用した医薬品)は開発元を守る為に特許を持つことが認められています。成分の特許期限が切れたときから他の医薬品メーカーは初めて同成分の医薬品を製造することができます。これを後発医薬品(ジェネリック医薬品)と呼んでいます。所以はジェネリック医薬品の製品名はそのまま成分名である一般名(generic name)で表さることが多いため一般薬(ジェネリック医薬品)という言葉が普及したのです。
過去にジェネリック医薬品という言葉が世間一般に浸透していない時代には特許の切れた成分を使用して後発医薬品メーカーが雨後のタケノコのように非常にたくさん製品を製造・販売しました。次から次へと「ゾロゾロ」と市場に出回る事から【ゾロ品】と揶揄される表現で扱われていました。実際に粗悪品も目立ち、服用に関して不安視する人が非常に増えてきました。
政府は今後さらに増加すると見込まれている医療費の負担を下げるために後発医薬品の普及を対策として打ち出しています。しかしながら後発品=【ゾロ品】つまり粗悪品と思われるイメージを払拭し、安全で安価な製品である事をアピールしなければなりません。実際にジェネリック医薬品を製造するメーカーには非常に高い検査基準が設けられており安全な製品しか出せないようになっており、現在粗悪品は見受けられません。

ジェネリック医薬品の普及

先進国のアメリカ・ドイツ・イギリス・フランスではすでに60~90%の確率で普及しており、人々の医療費軽減に有効とされています。しかし日本も含めまだまだ普及率が低い(40%以下)の諸外国も多いのが現状です。本来低価格のジェネリック医薬品は経済的に高額な治療薬を使用できない人にも治療を施せるように普及されるべきものではあります。しかし成分は同じでも製造方法が同じではない為先発品と同等の効果が期待できない場合があり、またメーカーの規模によっては安定供給できない問題点も諸外国においては存在します。

ジェネリック医薬品の特徴

ジェネリック医薬品と新薬(先発品)に違いには大きく分けて2つの項目があります。先発品と合わせなければならない項目は有効成分と含有量、また有効性・用法用量です。違う用途や異なる用量で使用してはならず安全性も同等でなければいけません。
一方で先発品では使用していなかった添加物・製剤を使用しより使いやすい医薬品へと改良をすることができます。性状(色やにおい、形、大きさ)などを変更することにより飲みやすくなり、また周囲に不快感を与えないようにする効果(においなど)が見込まれます。
外用薬などでは湿布などの張り薬は皮膚に負担をかけないように貼り心地を改良し、貼り方を便利にするため剥離紙を使いやすい形状・紙質にすると言った工夫も認められています。

価格の違い

新薬(先発品)の開発には300億円以上の莫大なコストがかかります、医薬品メーカーはそのコストを回収するために医薬品特許が認められており、ある一定期間独占的に製造・販売をすることができます。先発品メーカーの製品は完成度・効果・安全性が高い為高価ではなくあくまでも製品特許料が付加されているために高価格である事を認識しなくてはなりません。反対にジェネリック医薬品は安いから効果が低いといった認識を持つとマイナスイメージを持って服用すると精神的に効果が半減してしまうことがあります。間違った認識は医薬品そのものの正確な効果を妨げる危険性がありますので、医薬品製造の仕組みを理解して無駄のない効果的な使用を心がけるようにしましょう。

ジェネリック医薬品のデメリット

例えばインドなどでは製造特許は認められていますが成分特許は認めていません。その為特許期間中であってもインド国内では他の医薬品メーカーが新薬成分のジェネリック医薬品を製造することが可能です。その為特許期間中であっても他の医薬品メーカーが安く販売することができるため、新薬開発メーカーの製品の売上が伸びなくなり、資金の回収・利益が不十分になってしまいます。結果次回の新製品開発の資金が不十分になり、また開発意欲の低下につながり、今後の新製品・新成分の開発を鈍化してしまう可能性があります。