2018/02/01

女性にもあるEDについて

一般にEDと勃起障害を指すため、女性には当てはまらないが、女性にも特有の性機能障害FSD(Female Sexual Dysfunction)があります。
例えば
・性的関心/興奮障害(セックスの関心がなくなる)
・オーガズム障害(最高の快楽であるオーガズムを得る事が出来ない)
・性器・骨盤痛/挿入障害(疾病によりセックス時に痛みを伴う)
・物質・薬剤誘発性性機能障害(常用の薬を服用にて副作用的な症状として)
・その他の性機能障害
原因としては、子育て、生活苦、セックスのマンネリ化、旦那の容姿が若いころに比べて随分変わった、他の男性へ関心が移ってしまった等、その要因は様々ですが、女性も年を重ねれば更年期障害により女性ホルモンの分泌が低下し、心身ともに様々な症状が出てきます。
2005年東邦大学医療センター大森病院リプロダクションセンターの国際的な調査(40~80歳を対象)報告では①性的関心/興奮障害=約30%、②オルガズム障害=約15%、③性行為に伴う疼痛=約15%と推定されている。

①性的関心/興奮障害はセックスしたいと思う意欲が低下、或いはセックスしていても興奮できない状態です。
ご主人が定年退職し世帯収入の減少など生活上のストレスや精神的苦悩が関わっているといわれています。
女性ホルモンの分泌低下による膣の萎縮も女性の性欲を抑える要因となります。
この症状が酷くなると性嫌悪症と呼ばれる性に対しての概念が変わり、性行為は汚らわしいものと考えるようになり、男性との性行為を受け入れなくなり、オナニー(マスターベーション)は出来るが、男性には触れられるのも嫌、性行為が苦痛になってしまいます。

②オルガズム障害は性的刺激を受けても十分に興奮を得られず、欲求不満からストレスを溜めてしまう、そのままにしておくとセックスへの関心も薄らぎ夫婦のパートナーシップの障害になることもあり、互いの努力が不可欠です。

③もし、性行為時に痛を伴う場合は性器・骨盤痛/挿入障害によるものと考えてよいでしょう。
更年期障害になると、違膣内部が濡れにくい状態や膣内部の弾力の低下(器質性)により男性器を挿入時に痛みを覚えることがあり、陰部前庭炎、子宮内膜症、尿道憩室なども関係していますが、骨盤や膣の手術などから起こる場合もあり医師へ相談が必要です。
又、挿入障害とは心因性が原因していることが多く、性行為への嫌悪で膣が痙攣して挿入を受け入れない状態です。

夫婦だから性行為をするのは当たり前、旦那がやりたい時に受け入れるのが妻の役目との考えは大間違いです。
男性のED(勃起不全)も女性のFSD(性機能障害)も心因性から来るものも多く、お互いが相手に気遣い、尊重し合える関係作りが重要ではないでしょうか。

<参考文献>
https://allabout.co.jp/gm/gc/463776/