EDの症状

ED(勃起不全)になる仕組み

男性は通常性的刺激を受けると興奮作用が働き、海綿体に血液が流入して男性陰茎部が膨張して勃起作用が起こります。しかし年齢を重ねるごとに「疲れているせいか勃起しない」「性欲はあるけど行為自体ができなくなっている」「勃起はするけど行為途中で萎えてしまう」といった性的な悩みが増えてきます。原因は様々ありますが主な原因は体内で発生する血管拡張作用物質【サイクリックGMP(グアノシン一リン酸)】が阻害されてしまう為に正常な勃起が促されないのです。男性は性的刺激(性的興奮)がおこると一酸化窒素が生成されサイクリックGMPが細胞内で増えることにより陰茎部の平滑筋が弛緩し血流増加によって海綿体に血液が集まり勃起を起こします。この勃起に必要不可欠なサイクリックGMPがある酵素によって阻害されると正常な勃起は起こりづらくなります。その酵素とは「PDE(ホスホジエステラーゼ)5」という勃起を抑える働きをもつ体内で生成されるものです。勃起中は海綿体に血液をとどめておくため血流は一時的に停止します。身体の正常なメカニズムとしては性行為が終わるまたは性的興奮が冷めると滞留した陰茎部の血液を循環させなければなりません。そのため「PDE(ホスホジエステラーゼ)5」が生成され勃起を解消し陰茎部・海綿体への血流を通常の状態に戻してくれます。
この「PDE(ホスホジエステラーゼ)5」が性的刺激を受けている最中(勃起をしようと脳からの信号に反応している時)でも生成・発生してしまうことがあります。その為勃起をしようと体が反応しても勃起阻害酵素が働き勃起が抑制されてしまいます。
この通常時でも勃起阻害酵素が生成され続けている状態をED (Erectile Dysfunction)と呼び、年齢を重ねることにより症状が表れやすくなります。

EDの種類

心因性ED(過度の緊張やストレスによるED)
日常生活では普通に勃起することもあるが性行為になると自分の思うように勃起しないという人が当てはまります。朝立ち(起床時の自然発生の勃起)や自慰行為(オナニー)では問題なく正常な勃起が起こるのに対し実際に女性を目の前にすると萎えてしまうまたは反応しないといったことが起こります。
これは精神的なストレスが大きく起因しており日々の夫婦生活へのプレッシャーや夫婦間のストレス、また性行為自体を義務化(子づくりなど)されていることにより積極的な精神状態にならず勃起がうまくいかないといったことが起きます。
また過去に性行為に失敗した(うまく行為を行えなかった、パートナーから辛辣な発言をされたなど)経験から性行為自体がトラウマ(心的外傷)となり一種の拒否反応のように勃起ができない現象もあります。

・器質性ED(高血圧や糖尿病などによるED)
血管や神経の障害、また陰茎部の損傷によって勃起自体がうまくできないことがあります。
引き起こす原因としては 心臓疾患などにみられる血管の機能低下、高血圧、または前立腺肥大などにより勃起そのものを機能させない外的要因になります。生活習慣病としてあげられる運動不足、食生活、喫煙・飲酒などは血管の負担も大きく徐々に劣化していきます。
血管の弾力性が失われて収縮がうまく行われない、油分やコレステロールが血管に付着して栄養が運ばれないなど劣化することにより次第にED(勃起不全)になりやすくなります。
また事故などによる神経への障害もEDにつながります。脊髄損傷や椎間板ヘルニアなど背中の神経物資に外傷があり、脳内伝達物質がうまく伝わらず下半身(陰茎部海綿体)に十分な血流作用が働かないことがあります。神経の圧迫によって正常な勃起が起こらない場合にはリハビリ・治療を続けることによって徐々に回復して勃起可能状態になることがあります。