2017/06/07

対象者によってED

■対象者によってED

男性は性的刺激を受けて海綿体に血液が集まり勃起が起こります。生理学上男性は性的な刺激(視覚・触覚・嗅覚など)を受けると本能的に反応してしまいます。これは子孫繁栄の為動物学的見地から自然現象として起こってしまいます。パートナーがいるにもかかわらず他人に反応してしまうことはいけない、恥ずべきことであると理性ではわかっていますが本能は健全な反応として否定することはできないのです。配偶者がいる場合他の異性と関わると世間的に不倫と呼ばれますが他人と親密になる機会がすべての男性に不倫行為をもたらすかというと実際は事情が違うようです。特に既婚男性は家庭以外でも社会にでると異性とのかかわりが出てきます。パートナー以外の女性にも意識が行くことはありますが深層心理として後ろめたさや背徳感を感じてしまいどことなくためらいが生まれてしまいます。そして仮に他の女性とかかわりを持つ状況に陥った場合(浮気行為)に意に反してED(勃起不全)になってしまうケースが見受けられます。配偶者との性行為は問題ないのですが他人だと機能しなくなるといった現象が生まれます。

■EDの二つの原因

仮に男性が非パートナーと交際をして関わりをもってしまい性行為が行われる時にED(勃起不全)が起こることがあります。元来EDである男性に見られる原因は加齢・糖尿病・高血圧が多くあり、その場合には対象者(配偶者、非配偶者)に問題は無く男性自身に治療が必要になります。器質性EDといわれ一般的にED治療薬処方による治療が行われます。しかし相手によって(この場合パートナー以外の相手)勃起不全が起こるのは心因性EDに起因するケースに当てはまります。配偶者(奥様)に対する罪悪感が強くなり、不貞行為に対する道徳観・倫理観が強く支配されるようになると男性機能は作用しなくなるといった現象が起きます。男性が生来もっている男性本能として他の異性を意識してより性欲が高まり勃起力も向上すると考えられがちですが実際はパートナーを愛しているがゆえに外では勃起が起こらないといった現象が起きてしまうのです。

浮気行為・不倫行為は昔から反社会的行動であると非難されており、かつ現代においてはメディアやニュースでも非常に強く批判され、社会問題にまで発展しています。現代の社会背景もあり浮気行為とは発見されなければ大丈夫といった単純なものではなく社会的責任や今後の社会的地位、信頼といったものすべてに影響してきます。

■医療機関の困惑と改善

パートナーとの性行為であれまた他人との性行為であれED(勃起不全)を治療したいと医療機関を訪れるED治療希望の患者に対し医師は対応しなければなりません。以前はカウンセリングがプライバシーを守ってくれるからといった理由で浮気相手に対して勃起がしないので治療薬を処方してほしいといった相談が一定数あったようです。医師としては通常の性行為(パートナーとの性行為)以外に対しても対応しないわけではありませんが非常に気が引ける問題になります。場合によってED治療薬は処方せずに患者自身の心情に問いかけ、配偶者への愛情や社会的な立場、今後家族への起こりうる影響を示唆して診療は終わるといったケースが出てきています。もしED治療を施し(治療薬の処方)浮気の手助けをすることになれば仮にEDが非パートナーに対しても改善されたならば治療者は持っていた罪悪感が薄れその人そのものの人生をマイナスの方向に進めてしまい不幸にしてしまうことにもなりかねません。性行為に伴うED治療とは健全な社会生活、夫婦生活を営む為に進めていきたいと医療機関は考えています。医療機関では医薬品の開発だけではなく治療者のカウンセリングの向上も日々改善されているのです。