ED治療薬の汎用性
■ED治療薬の成分別特徴
バイアグラに代表されるED(勃起不全)治療薬は現在代表的な有効主成分が3つあります。クエン酸シルデナフィルはバイアグラに含有されているED治療成分で特徴といたしましては男性の勃起の硬さを期待するのであれば適していると言われています。また服用後即効性を期待するのであれば有効主成分バルデナフィル塩酸塩水和物を含むレビトラなどが適しており、長時間(約24~36時間)効果を持続させたい場合にはタダラフィル含有のシアリスなどが性行為のサポートをしてくれます。
■勃起の仕組み
性的な刺激を受けることによって脳が出す勃起指令はホスホジエステラーゼ5(PDE5)と呼ばれる勃起阻害酵素によって分解されてしまう減少してしまいます。ED治療薬はこの勃起の指令が邪魔されないようにPDE5の働きを抑える役割を担っています。その為ED(勃起不全)治療薬はホスホジテラテーゼ阻害薬ともよばれています。いずれのED治療薬も保険適用の無い自由診療扱いとなり比較的高額な医薬品となりますが昨今は日本国内外でジェネリック医薬品の使用も普及してきているので先発医薬品(バイアグラ・シアリス・レビトラ)の約6~7割ほどの価格で入手できるということで購入する人が増えてきています。また普及するにしたがって使用タイミングや服用に水分を必要とすることに対し悩みが増えてきています。医薬品メーカーは錠剤の形態の工夫を進めておりラムネのように口内で水無しで溶かして吸収することができるOD(Oral Disintegrant)錠(※口の中に入れると唾液で速やかに溶けるように作られた錠剤のこと。別名口腔内崩壊錠とも呼ばれる。)が開発されました。さらに近年ではODフィルム錠が発売され、舌上にのせて薄いフイルムタイプの医薬品は注目をあびています。OD錠と同じように水を使用する必要が無く、薄いシート型の為ポケット・財布などに入れてもかさばることが少ない利便性が注目をあびています。
■ED治療薬の汎用性
ED治療薬には血管拡張作用があるため動脈硬化にも効果があるのではないかと言われています。実際に動脈硬化にED治療薬が使用されることはありませんがPDE5阻害薬は血管を保護する働きがあると言われています。その為少量を服用し続けることにより動脈硬化が改善できるかもしれないという副次的な効果が期待されています。またED治療薬(PDE5阻害薬)は前立腺肥大症にも効果があるとされています。前立腺肥大治療薬ザルディアは有効主成分がタダラフィルでありシアリスと主成分は同じとなります。実際は商品名や薬の形状が違うだけで成分内容は変わらないのです。
参考文献
日経スタイル: EDは動脈硬化のサイン! 気になる治療薬の最新事情
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO22866810Q7A031C1000000?page=2