ED薬と依存
■ED治療薬の情報希薄性
バイアグラのようなED(勃起不全)治療薬は服用することにより勃起をサポートする効果があり、性行為を正常に行うことができるように開発された医薬品になります。しかし一般的にED治療薬の詳細は医師のカウンセリング・処方時に説明を受ける為なかなか未使用者は正確かつ詳しい情報を入手することが難しいといった状況があります。公共の広告媒体だけでは名称やイメージしか伝えることができず、ネームバリュー(バイアグラなどの医薬品名)が高い割には正しい処方前情報が希薄であると言われています。ED(勃起不全)治療薬を使用する前の患者さんたちは多くの心配と誤解をもっています。よく言われているのは元来持っている自身の勃起機能が低下してしまうのではないか、また服用しなければ勃起しなくなり依存的な傾向に陥るのではないかといった誤った認識の定着が見受けられます。
■性機能低下の心配
ED治療薬は勃起不全サポート医薬品であるとは先に述べておりますが、徐々に自身の勃起力を奪っていくのではないかと心配されることがあります。便利な車に乗ってばかりで運動しない事により体力が低下するかの如く、薬に頼ってばかりで徐々に勃起力が衰えてしまうのではないかという疑問を持たれる方が多いです。また睡眠薬や風邪薬などの継続的な服用に自身の身体が慣れてしまい、薬が効かなくなってしまうのではないかといった感想も見受けられます。しかし実際にはそのようなマイナス効果はなく、自分自身が必要な時に処方された適量の服用によって正常に効果が出てきます。また依存性が表れる現象も見られません。ED(勃起不全)治療薬は服用後約1時間で効果が表れ、体内に薬効効果が有効な時間のみ勃起改善が見られます(バイアグラの場合は約6時間、レビトラの場合は約8時間程度)。その後は体外に薬効成分が排出され服用前の状態に戻ります。また心配される副作用も現れないようになります。
■依存性の心配
ED治療薬を飲むと癖になると思われている患者さんがかなりいらっしゃいます。これは同じ医薬品として睡眠導入剤や抗うつ剤のように依存性の高いものではないかといった誤った情報が流れているからです。しかしながら先のような薬物依存性の傾向がある医薬品は中枢神経(脳など)に働きかける物質の為薬物依存の可能性はありますが、ED治療薬は血管拡張・血流増加といった作用のため直接脳に影響を与える要素はありません。興奮剤・媚薬といった精神作用も心配されますが、そのような効果は内包されてはおりません。