EDの原因

なぜ勃起が起こりまた収まるのか

男性は刺激(視覚・聴覚・味覚・想像など)を受けると脳から神経伝達を陰茎部が受け平滑筋が緩み血液が流れ込み勃起します。
勃起を誘発する刺激には大きく分けて2つの種類があります。一つ目は「中枢性勃起」と呼ばれいわゆる性的刺激を受けて勃起する作用です。目の前に女性の裸体や画像・映像・音声などに男性が反応し大脳が刺激され興奮状態になると脊髄の中枢神経に伝わって海綿体の血管が広がり血液が流れ込み勃起が始まります。
二つ目は「反応性勃起」といい物理的な刺激によって引き起こされる勃起です。男性ペニス(陰茎部)自体に刺激(何か物体に触れられる、乗り物に乗っている時に振動で刺激を受ける)を物理的にうけると反射的に(性的興奮は無くとも)勃起します。
しかし男性は性的刺激を受け生殖活動である性行為を行いますが通常生活においては勃起状態とはふさわしくなく勃起が収まった状態でなければなりません。その為男性は常に陰茎部が隆起している状態でなく、また性的刺激が無くなった場合緩やかに元の状態(いわゆる萎えた状態)に戻るように仕組みができています。また海綿体に血液が集まっているという事は血液が陰茎部に溜まったままになっており血流が滞った状態となります。血液が溜まったままの状態になりますと細胞が損傷し始めます。その為身体の防衛本能のメカニズムとして性的刺激が無くなる(射精後など)と勃起は納まります。

勃起阻害酵素の働き

通常性行為の後(いわゆる射精後)に男性は性的興奮が収まってくると同時に勃起を鎮めるために勃起抑制作用が働きます。仕組みとしては射精後に勃起阻害酵素「PDE(ホスホジエステラーゼ)5」が自然発生し血管拡張作用のある【サイクリックGMP(グアノシン一リン酸)】を抑制して血液の収縮を促し平滑筋を閉じさせ徐々に勃起を収めるようにしています。もし平滑筋が開いたままで血流増加が続いていますと海綿体に負荷がかかり細胞が損傷してもし数時間以上勃起が止まらないと陰茎部が壊死してしまうことがあります。
そのため自然の防衛反応として勃起阻害酵素は必要不可欠な酵素であり、平滑筋を閉じて血液の流入量を減らし徐々に勃起状態を解放するようになります。勃起状態時には副交感神経が働き射精後は交感神経が働き興奮状態は納まります。興奮状態が収まるにつれ交感神経が働き勃起阻害酵素PDE(ホスホジエステラーゼ)5が生成されて勃起が収まるようになります。

EDの原因

男性は血管拡張作用があるサイクリックGMP(グアノシン一リン酸)の働きにより性的刺激を受けたうえで勃起します。しかし本来射精後(性的興奮鎮静後)勃起が収まるために生成されるPDE(ホスホジエステラーゼ)5が性的興奮時にも発生し環状グアノシン一リン酸」(cGMP)を分解することにより勃起を阻害してしまいます。原因には様々な要素がありますが、一番の要素は加齢になります。年齢とともに体内のサイクリックGMP(グアノシン一リン酸)の生成量が年々減少していき勃起阻害酵素PDE5とのバランスが崩れて勃起抑制酵素の影響が強くなり結果勃起(性行為可能なグレード)しないまた勃起が続かないといった症状が表れます。

薬剤の影響のED

ED(勃起不全)治療以外で使用している薬剤がEDを引き起こすことがあります。
主に循環器系(不整脈治療薬、降圧剤)や消化器官系(消化性潰瘍治療薬)あとは中枢神経(抗うつ剤、向精神薬)に見られます。最近は抗うつ剤・睡眠薬などの神経に影響を与える薬剤の使用率が年々上がっております。抗うつ剤などには精神を平静化させる作用があるため勃起時に必要な性的刺激・興奮がうまく得られなくなると言われています。現在のED治療においては医師の処方とカウンセリングは非常に大切になり、常用薬との併用については十分に注意しなければなりません。